象徴的なモチーフ
ARGOLFのパターシリーズの中で独特のデザインと風格を醸し出しているパターに「Excalibur」と「MASAMUNE」があります。Excaliburという名称はアーサー王伝説では象徴的なもので、それは王としての証としての特別な剣であり、パターのExcaliburは誰が見てもひと目でそれが剣を想起させるデザインに仕上げられている点はデザイナーのセンス、デザイン力が現れているものです。
パターは究極の武器
日本刀をイメージしてデザインされたMASAMUNEも侍の象徴としての刀、日本の伝統とヨーロッパの技術を融合させたものなのです。パターはゴルフゲームにおける“究極の武器”というコンセプトでパターをデザインするオリバーからすればExcaliburはそれを最も具現化できるものであり、それを達成するために最新の注意を払って作り上げたのです。最強の剣をイメージしながらパターとしての機能を十分に入れ込むものはかなり難しい部分があるからです。
どこが難しいかといえば、パターは操作性と打球感、そして見た目の形は最も重要なファクターで、そのためにブレードの長さ、重心位置、全体のシルエットはパターとしてバランスを取れたものにしなければならないからです。
採用した素材もGSS316Lというパターとしては最高級素材と言われているGSS304Lより、耐食性に優れたものを採用することで究極の武器として完成させたのがExcaliburなのです。
日本の伝統的な文化
一方、MASAMUNEはどのようなコンセプトでデザインされたものなのかと言えば、日本進出にあたり、日本の人の心を打つようなものを作ってみたいという点です。日本は長い歴史があり、その伝統的な文化は素晴らしいもので、フランスも同じところがあります。日本文化の中心は中世からは侍の文化であり、侍のシンボルは刀です。
日本刀は刀としての機能だけでなく、人を惹きつける美しさも併せ持っている優れた武器で、それをモチーフとしてブレードパターをデザインしようと決めました。日本の刀を色々調べている中で、鎌倉時代、元寇を戦った武士たちから正宗の作った刀は実践的で力強く、そして美しいと評判になり、正宗の刀を持つことが武士の憧れだったという話を見つけてから、日本限定モデルは”MASAMUNE”という名前に決めたのです。
アーサー王のシンボルとしての剣がエクスキャリバーなら、日本の侍のシンボルとしての刀をMASAMUNEがふさわしいと考えたからです。
“MASAMUNE”で 何を訴えたかったのか
刀をイメージすれば形は当然ブレードタイプになります。
しかしブレードタイプはシンメトリー(左右対称形)デザインを取ることが難しいのです。究極としての武器である刀をイメージしながら操作性と寛容性(優しさ)を考えてデザインすることが訴えたかったポイントです。
どのようにしたかといえば、L字型のボディに厚みを持たせたフレンジをつけ、その上部に緩やかな曲線を施すことで刀をイメージできるものになりました。
ネックの形と取り付け位置にも細心の注意を払いました。
これにより見た目はシャープな感じを持ちながら微妙に緩やかでラウンドタイプのネックをヒールより少しだけ前方に装着することでヘッドローテーションの行き過ぎを抑え、操作性の高いものにしました。
素材も通常使用している304Lよりモリブデンが入ったGSS316Lという耐食性に優れたワングレード上のものを採用し、ヘッド重量も375gと重くしました。
これはソフトで心地よい打球感と打球音を引き出すためと安定した軌道を描くためです。
MASAMUNEは私の中では機能と美しさを上手に融合させたもので、自信作の一つです。
日本のゴルファーが鎌倉時代の武士のように、MASAMUNEを持つことが誇りとなるような、そんな道具であって欲しいのです。
“MASAMUNE”は右用で200本、左用で30本だけの少数限定で作りました。
一つひとつの”MASAMUNE”が日本のゴルファーの心を打つパターとして存在してくれることを願っています。