#11 ショートパットの新基準
“SHORT ROLL 30”パターと”SHORT R OLL Method”

4フィート(1.2m)のパットを何の不安もなく決めることができれば、ゴルフはどんなに楽しくなるでしょうか? 4フィート以内のパットは最もカップインの確率が高いはずなのに、プロやトッププレイヤーも含めた多くのゴルファーはなぜか最も神経を使う距離になっているのが現実です。そして細心の注意を払っているにもかかわらず4フィートのイージーパットを外してしまうことが多々あります。
このようにショートパットを外すことが続くと不安とプレッシャーがプレイヤーに襲いかかりショートパット恐怖症となりイップスに陥ってしまう人も出てきます。

4フィート以内のショートパットを何の不安もなく、それこそ簡単にカップインすることができれば多くのゴルファーを救うことができます。しかし現実はそうではありません。
それだけにショートパットの不安を解消する特効薬的なパターとその使用方法が長い間求められていました。

ARGOLFは4年間に及ぶスタジオでのフィッティング体験やパッティングのメカニズムの解析からショートパットに特化したパターとそれにマッチしたストローク方法を開発しました。
それは様々な試行錯誤の中から生まれたもので長さは30インチに設定し、専用のロングタイプのグリップを装着したものは新しいパッティングのカテゴリーの扉を開くものです。

この新しいパッティングカテゴリーで使用するパターを”Short Roll 30(ショートロール サーティー)”と名前をつけました。そしてその使用方法を”Short Roll Method”として2025年6月より恵比寿のパッティングスタジオから展開を始めました。

開発の背景

スタジオに来られるゴルフファーにアンケートをお願いするとほとんどの方が次のように答えます。

*ショートパットに自信が持てない
*時々ショートパットを引っ掛けたりプッシュしてしまう
*パッティングが上手くいかないのはパターが合っていないのか打ち方が悪いのか分からない

という悩みを持っています。問題はなぜそのようなことが起こるのかという点です。

それはパターという道具がショートパットになる程、操作性が悪くなるからです。どんなに精巧に作られたパターでも、有名なデザイナーが制作したパターでも、プロが愛用しているパターでも同じ症状が必ず出ます。

パターはグリーンでボールを転がせてカップインする道具として作られました。歴史的にはアイアンのロフトを立て、長さをウェッジより短く、ライ角を立ててパターとしたのです。ショットをするクラブの延長上にパターという道具は位置付けられていました。構え方もショットと同じ向きです。グリップもショット用のものとほぼ同じ長さでヘッドから最も離れたところに装着されてきました。誰も何の違和感も感じないまま、最新の科学の発達している現代までパターの基本的な形、スペックは大きな変化がなかったのです。

現代のパターが
なぜショートパットには難しいのか

距離が短いショートパットになる程、微妙でデリケートなヘッドコントロールが必要です。ヘッドを自在に操れて初めてショートパットを不安なく確実にカップインできるのですが、現在市販されているパターではそれが難しいのです。この事実とその理由をゴルファーが知らないために、「自分は下手だ」「パットが自信ない」となっているのです。なぜでしょうか?

ショートパットが難しい2つの理由

一つはグリップの長さとその装着位置です。
グリップの長さはドライバーやアイアンと同じ長さのものがヘッドから一番離れたところに装着されています。つまりこの場所でグリップしなさいという暗黙のガイドラインが設定されています。

この位置でグリップすることはヘッドから1mくらい離れたところを握ることになります。
パターヘッドをより自在に操ることができる場所はパターの釣り合い点です。この場所はパターの正しい重さを感じる唯一の地点で、ここから離れるとその距離の二乗で重さが重く変化します。ヘッドから最も離れたところで最も重く感じるところをグリップすることになり、しかもライ角の存在でストローク中は重力の影響をパターは受け続けることになります。
この重さと重力の影響からデリケートな動きが必要なショートパットは難しいものになっています。

もう一つはグリップ(握り方)です。 写真を見てください。グリップはなぜこのような握り方が存在するのでしょうか?これらのグリップは代表的なものでもう少し色々なやり方があります。なぜでしょうか?

短いグリップサイズの中、両手でヘッドコントロールをしようとするとなかなか思うようにできません。それでこのようなグリップ(握り方)が考えられて自分に合う方法を取り入れているのが現状です。それぞれ一長一短ありますがショートパットには最適とは言えないものです。


  • 逆オーバラップグリップ


  • クロスハンドグリップ


  • クロウグリップ


  • アームロックグリップ

その理由は利き手の良さを活かしきれないからです。デリケートな動きになればなるほど道具をコントロールするには利き手の繊細さが求められます。しかもアドレスの姿勢は目標地点を見ることはなくパターヘッドとボールを凝視する形を強いられます。

デリケートな動きが取りにくい中でバックストローク中にヘッドの揺らぎを見てしまうことは急に不安や恐怖感が生じミスパットを誘発させることに繋がります。

パターの重さと重力の影響を抑えるために利き手でない手(右利きの人は左手)はグリップ圧力が高まり、その結果、利き手はスムースにパター操作ができなくなります。必要以上の力を要するために繊細さが失われ急な加速をしたり、利き手のリストアクションを利用してヘッドを動かそうとします。俗にいうパンチが入る、という現象を引き起こすのです。

スタジオを訪れるほとんどの方がこのような状態で悩んでいることがわかりました。
そこで考えたのが操作性の良い、デリケートな場面でも繊細にヘッドコントロールができるパターはどのようなものが良いのか? 最も確実にしかもストレスフリーでストロークを行う方法はどのようなものが良いのかを探し求めてきました。

ベースボールのバントがわかりやすい良い例です。バントという動作は遠くにボールを飛ばすのではなく、自分を犠牲にしてまでも確実にボールを狙った地点に転がす動作です。ショートパットこそバントのメソッドが生かされるのです。

利き手はバットが最も操作しやすい重心近くを持ち、反対の手は利き手が自由に動けるようにかつバットコントロールがしやすいように利き手を補助する役割です。利き手とそうでない手の役割は明快でスプリットグリップを採用することでバントは効果を引き出せるのです。 パッティングもショートパット(3m以内)はスプリットグリップを採用した方が、繊細な利き手の良さを活かしてヘッドコントロールできる最善の方法なのです。

色々な実験結果から導き出された結論は、ロンググリップを装着した長さが30インチのパターと利き手が釣り合い点近くでグリップするスプリットグリップでストロークすることが4フィートのパットを確実にやさしくカップインすることを見つけ出したのです。

Shorts Roll Method:ショートパットの打ち方

30インチの長さのパターはどのようにストロークをすれば良い結果を導き出すものは ということになります。30インチのパターでARGOLFが推奨するスプリットグリップでアドレスをすると背中は地面に対して平行近くになります。このような状態でストロークをするとライ角に関係なくバックストロークはターゲットラインに沿って動くことになり、より方向性に確実性が増します。
しかも利き手は釣り合い点近くをグリップするために、最も少ない力でデリケートなヘッドの動きを制御できます。

また、習字で筆を持って文字を書く時には筆を利き手の3本の指(親指、人差し指、中指)でつまむ形で握ります。パターも同じようにシャフトを親指と人差し指の間で支えて握ることで重力の影響を抑えつつ、最も蝕感の鋭い指先でヘッドを自由に操れるのです。

ストロークはあくまで利き手の力を使って行うのではなく、パターと腕の重さを利用した振り子式で行うことがより確実性を高めたものになります。
感覚的な言葉で表現するならターゲットライン上にボールを必要な強さで押し出して行く感じです。


Short Roll Methodはあくまでも3m以内のショートパットのみ有効なアドレスとストロークなのでそれ以上の距離を転がす場合はスプリットの度合いを狭めて行き5m以上は通常に戻してストロークする方がより安定したパッティングになります。

なぜ、スプリットの度合いを狭めるかといえば、Short Roll Methodはあくまで野球でいうバントなので基本的には距離を出す打ち方ではないからです。

Short Roll Methodはあくまでも3m以内のショートパットのみ有効なアドレスとストロークなのでそれ以上の距離を転がす場合はスプリットの度合いを狭めて行き5m以上は通常に戻してストロークする方がより安定したパッティングになります。

なぜ、スプリットの度合いを狭めるかといえば、Short Roll Methodはあくまで野球でいうバントなので基本的には距離を出す打ち方ではないからです。

ショートパットのカップイン確率は確実に上がります。ショートパットが自信をもってストロークできるなら3パットは減らすことができるだけでなく、アプローチにも良い結果をもたらします。アプローチに自信ができるようになると、グリーンを狙うショットにもゆとりが生じ結果はさらによくなるでしょう。
ショートパットを確実に決めることができることは、スコアをセーブするだけでなくゴルフというゲームをより面白く変えていきます。反対にショートパットを外すことはゲームを難しくしてしまうことは明らかです。

Short Roll 30の存在意義がここにあります。
スコアの43%もパッティングが占めるなら、ショートパットの重要性はとても大きなものと気づくものです。そしてそこで使われるパターはより真剣に選ぶべきです。

アイアンを例にとれば番手間の距離間隔はおよそ10~12ヤードです。パターは1cmから30ヤードくらいの距離差を1 本のクラブで行います。アイアンなら2本の距離差です。一番スコアに直結するショートパットは最も重要なものでショートパットがより正確にカップインさせられるショートパット専用パターは必要不可欠なものと言えます。

ショートパット専用パターと通常パターの2本をバッグに入れる選択肢も必要な時代になって来たと言えます。まずはこのShort Roll30パターを試してみて下さい。怖かったショートパットが不安なくカップインすることができることに驚きます。明日からのゴルフが大きく変わりますね。きっと…